映画「ソロモンの偽証」成島出監督特別インタビュー(上)

公開日: 更新日:

 それでも涼子を主役に抜擢した決め手は声と目。お芝居は時間をかけて毎日稽古すれば何とかなるけど、あの力強いまなざしと声は素質だからです。でもまあ、よく泣きました。リハーサルでも本読みでも。「やらなきゃいけないことは分かってるけどできない」という悔し泣きで、何リットルも泣いてました。すぐに「まばたき病」が出るし。原作ほど“スーパー中学生”じゃないことを示す描写を入れたのも、涼子の弱さを取り入れて「アテガキ」したからです。

 彼女を選んだ時点で“賭け”だったので付き合うつもりではいましたが、「やれないなら映画そのものをやめるぞ」と言ったこともあった。もし涼子が化けてくれなければ、来年もう1回オーディションをやり直そうという覚悟で臨みました。スタッフには「クランクイン予定の1カ月前にその判断をさせてくれ」と頼んで撮影がスタートしましたが、最初に裁判シーンのリハーサルをしたときはヒドイもんでしたよ。学芸会状態で、その様子を見たスタッフが「大丈夫かコレ……」と漏らして帰っていきましたからね。メーキング撮っておけばよかった(笑い)。

(つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景