甲良町立図書館(滋賀県犬上郡)総ヒノキ造りの元尋常小学校
滋賀県犬上郡甲良町。この町に時の流れを超えてたたずむ美しい建物がある。それが甲良町立図書館だ。
瓦屋根に白い外壁、白い木枠の大きな窓。玄関ポーチは円柱と角柱との組み合わせでモダンな意匠。1933年に竣工した東甲良尋常小学校が図書館として利用されているのだ。
「当時の村長が陣頭指揮を執り、住民が木材を運び、8年の歳月をかけて完成させた総ヒノキ造りの校舎です。建設当時は『県下随一のモダンな校舎』と評されたそうですよ」と館長の高橋直子さん。
一時、老朽化により解体の話が持ち上がったが、地域住民ほか全国から署名運動が起こり、92年に町の有形文化財に指定され、保存が決定。建物を現在の土地へ移動し、全面補修を経て99年に本館部分を図書館としてオープンさせた。
校舎は2階建てで、1階が図書館エリアになっており、館内に入ると木製の扉、格子模様の天井、64メートルもある長い廊下……と、懐かしい学校の風景が目に飛び込んでくる。

















