ぜいたく税問題が示唆する球団の経営破綻への懸念 金満ドジャース、ヤンキースも安泰にあらず
米国は自由競争の国であり、独占やカルテルを厳しく排除する国でもある。
少数の企業が市場を独占したり、複数の事業者が連絡を取り合って商品の価値、生産量、販売地域などを決めたりすれば、本来は市場の参加者が自主的に決められる価格などが不当に吊り上げられ、消費者の利益を損なうからだ。
こうした状況を背景に考えれば、大リーグにおいて年俸総額が基準値を超えた球団に課され「ぜいたく税」と通称される制裁金の正式名称がCompetitive Balance Tax(CBT:競争均衡税)であることも納得がゆく。
球団間の年俸総額の不均衡を是正し、多くの球団がワールドシリーズ制覇を目指す競争に参画できるようにするという目的を持つのが、CBTなのである。
資金力のある球団が有力な選手に対してよりよい条件を出し、財政基盤の弱い球団が選手を獲得できなくなるのは、公平な競争を阻害することにほかならないというのが大リーグ機構の理解である。
確かに、年俸総額が下位のマーリンズ、ホワイトソックス、アスレチックス、パイレーツなどがプレーオフから遠ざかっているという事実は、球団の資金力と勝敗の相関関係の高さを示唆する。


















