「言語学者、生成AIを危ぶむ」川原繁人著
「言語学者、生成AIを危ぶむ」川原繁人著
自らも子育て中の言語学者が、「生成AIおしゃべりアプリ」の利用による子どもの成長への影響を考察した問題提起の書。
あたかも人間と話しているかのような生成AI。その出力の「見た目」は人間言語と変わらなく見えるかも知れないが、それを生みだすメカニズムはまったくの別物である。生成AIが学習に使っているのは主に書き言葉(ネット上のテキストデータ)だが、人間の赤ちゃんは周囲からの「音声的な語りかけ」を通して言語を学ぶ。言語獲得の根幹は、養育者からの音声を使った語りかけが築くものなのだ。
こうした生成AIと人間言語の違いに始まり、すでにリリースされている実際のアプリを分析するなど、多角的に検証を進め、子育てへの使用は少なくとも未就学児童には与えない方がいいと説く。
(朝日新聞出版 1045円)


















