著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

ソラシド本坊 “現代版蟹工船”で描いた下流芸人の心の叫び

公開日: 更新日:

 真っ暗なビルでの配管清掃作業中、ヘッドライトが消えて命からがら救出されたこともあった。一緒に働く仲間との絆を感じたその直後、食事休憩で荷物を開くと携帯ゲーム機を盗まれていた。どこを取っても全く救いのない、壮絶なバイト生活が続く。

 そんな本坊に一筋の光が差す。バイトでの出来事を面白おかしくライブで語っていたら、それが評判を呼び、次々にテレビ出演が決まったのだ。「芸人報道」「アメトーーク!」といった人気番組にも出演。このまま売れてバイトを辞められるかもしれない――そう思ったのもつかの間、仕事はパッタリと途絶えてしまう。本坊は悲しい現実に気付いた。

「なぜみんながテレビでアルバイトの話をしないのかようやく分かりました。ヨゴレやからです。道端で裸になれば、キャーッ! とは言われます。ただそれだけです。僕は先のない道を走っていただけでした」

 この手の本にありがちな「本人が売れてハッピーエンド」という結末すら訪れない、現在進行形の悲劇。下流芸人の心の叫びが描かれた“現代の蟹工船”だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希をヤンキースが強奪へ…大谷翔平&山本由伸を奪われた名門が企んだ雪辱戦

  2. 2

    ゾンビたばこ広島に黒田博樹監督待望論 「打てない、守れない、人気ない」三重苦で新井監督はクビ不可避

  3. 3

    佐々木朗希また抹消…中6日も守れない“ひ弱な怪物”をそれでも全30球団が欲しがったワケ

  4. 4

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 5

    小園はセーフ? 広島「矢野だけ抹消」にファン激怒! “ゾンビたばこ”騒動で不可解な線引き

  1. 6

    やっぱり副首都法案は「大阪ありき」“クセ強”野党議員の追及に維新まともに答えられずポンコツ露呈

  2. 7

    核議論に「タブーなく」で物議…小泉進次郎防衛相が“覚醒キャラ”で危険発言を連発する狙い

  3. 8

    高市首相が追い込まれ「陳述書」提出で墓穴…中傷動画&サナエトークン両疑惑が蒸し返される大誤算

  4. 9

    AKIRA版はなかったことに? 反町隆史GTO放送開始で荒ぶる「2012年派」

  5. 10

    内田有紀の「老眼鏡姿」に称賛の声 次は「グレーヘア」でさらなる進化の予感