著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

慶大教授の言葉でお笑い決心 オリラジ中田“不屈”の原点

公開日: 更新日:

 オリエンタルラジオ率いるRADIO FISHの新曲「PERFECT HUMAN」が売れている。オリラジの2人がダンサー陣を引き連れてスタイリッシュに歌って踊るパフォーマンスが評判なのだ。

 そんなオリラジは、人気の浮き沈みが激しい中で、倒れても倒れても這い上がってくる不屈の精神の持ち主。中田敦彦(33)の自伝的小説「芸人前夜」(ワニブックス)を読むと、デビュー以前の彼のことがよく分かる。

 猛勉強で慶大に入った中田を待ち受けていたのは、退屈なキャンパスライフだった。ある講義で、経済学の教授がこんな言葉を発した。

「この国の経済は、もうおしまいなんですよ」

 年功序列、終身雇用といった旧来の制度はすでに崩壊している。君たち若者が信用できるのは国でも会社でもなく、自分の力だけだ。教授はそんな本質的な言葉を口にしたのだ。それが中田に刺さった。この言葉を受け止めて、将来について漠然と考えているうちに、自分が好きなお笑いを仕事にする決心がついた。


 その後、バイト先の自動車事故受付センターで藤森慎吾(33)と知り合った。ヒマを持て余した夜勤バイト仲間の2人は自然と言葉を交わすようになり、仲良くなっていった。中田が芸人志望だと知った藤森は「俺もやりたい」と気軽に言い出した。どこまで本気なのか分からなかったため、中田は不安を感じていた。だが、藤森を信じて最終的にはコンビを組むことにした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手