漫才師・今くるよが感激した故・天知茂氏からのオファー

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 漫才界を代表する女性コンビだった「今いくよ・くるよ」。いくよさんは昨年5月、病魔に倒れ他界したが、くるよさん(69)はピンでテレビや舞台で活躍中。下積み時代の恩人といえば……。

■デビュー7年目の売れてへん私らに

「君たち、出てみない?」

 忘れもしませんわ。1977年8月の大阪・新歌舞伎座。こうおっしゃってくれはったんは85年に亡くなられた俳優の天知茂さんです。ちょうど天知さんの特別公演がありまして、いくよちゃんも私も天知さん主演の刑事ドラマ「非情のライセンス」(NET・テレビ朝日系)の大ファンやったんで、初日の幕が開いて間もない頃に楽屋へご挨拶にうかがったんです。

 その頃の私らはデビュー7年目。とはいうても全然、売れてへんから天知さんは知らんかったと思うんです。でも、ワーワー話してる中で、「漫才してるんです」言うたら、思わぬ出演のオファー。もう夢みたいでね。一も二もなく、翌日から出させてもらうことになりました。

 公演は現代劇「非情のライセンス」と時代劇「次郎吉膝栗毛・鼠小僧と弥次喜多」の2部構成。私らは「次郎吉」の天知さんと共演の左とん平さんが立ち寄る、お茶屋の娘。わざわざそのシーンを追加してくれました。

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