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小原玲動物写真家

1961年、東京生まれ。茨城大学人文学部卒業後、「フライデー」専属カメラマンを経て、フリーランスの報道写真家として活動。アザラシの赤ちゃんとの出合いを機に動物写真家に転身。新著は北海道でのみ生息し、雪の妖精とも呼ばれる体長14センチの小さな鳥「シマエナガ」を追いかけた写真集「シマエナガちゃん」(講談社ビーシー)。

シマエナガ張り込み中に5万円の防寒服をスマホでポチッと

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 27年前に出版した「アザラシの赤ちゃん」は10万部の大ベストセラー。動物の写真集では驚異的な売り上げを記録したが、出版不況の折、収入源は様変わりした。収入の多くは写真より動画。動画があるとテレビ出演も必然と増えるという。だが、そういった撮影にまつわる売り上げを上回る収入源がある。トークショーや講演の謝礼だ。小原氏は温厚な人柄に加え、唯一無二の“武器”を持っている。

「アザラシを追い続けて30年近くになります。その間、現場に足を運び続け、この目で地球温暖化の現状を目撃してきました。僕と同じ経験をしてきた人はそうはおらず、アザラシだけでなく、環境問題に関する講演にも呼ばれる。同年代のカメラマン仲間が集まると、『写真のうまいやつより、口のうまいやつが生き残った』なんてジョーク交じりに話しているんですよ」

 小学1年生の国語の教科書にシロクマの写真が掲載されており、その縁で小学生を対象とした講演も多い。トーク力は、子供が納得できるように話すことで自然と鍛えられたという。

「フライデー専属時代から戦場カメラマン、そして動物写真と追いかける被写体は違っても、その都度、好奇心の赴くまま撮り続けてきた。常に好奇心むき出しで被写体に向き合ってきたことが今の僕を支えています。とても幸せです」

 目下の悩みは、金欠以上に太ること。

「撮影中の食事はコンビニばかり。この2年間で体重が15キロも増えました」

 野生動物よりも小原氏の“生態”の方が興味深い。

(おわり)

【連載】シマエナガ本ブーム 火付け役の生態

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