著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

主役俳優の美学貫く 田村正和の引退にみるスターの引き際

公開日: 更新日:

 プロスポーツの世界には「引退」があり、有名選手の引退会見の言葉は度々、語り草になる。

 芸能界に目を転じると、「引退」したはずが撤回して復帰する人もいるように、完全なる引退は少ない。必然的に正式な引退会見も聞かないが、二枚目俳優としてドラマ界を代表する顔だった田村正和(74)が静かに引退宣言した。すでに親しい人には今年の年賀状で「のんびりしたい。無職の日々が楽しみです」と挨拶していた。それを受けた形で先月、週刊誌の直撃取材に「もう僕は十分やったよ」とあっさり引退を決めたという。

 きっかけは2月に放送された田村の代表作のひとつ「眠狂四郎」シリーズの集大成「The Final」の試写を自ら見たことだった。田村は「もうだめだなあ」と悟ったという。デビュー当初こそ脇役だった田村だが、後は主演でしかも二枚目役者として貫き通してきた。一時、「キザでセリフが聞き取りにくい」といわれたこともあったが、いつしかキザも田村の魅力。

「自分自身に対してのこだわりも強いのがスター。自己診断も厳しくなる。試写をチェックしたとき、ビジュアル、立ち居振る舞い、セリフ回し、声などから納得いかなかったのだろうと推測する。職人と同じで、自身が納得しないものをお茶の間に提供することはできない。それができなくなったら潔く引退するのは、田村の役者としての美学だと思う」(演劇関係者)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です