「麒麟がくる」がやって来た! 岐阜県に早くも大河特需が

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■オープン初日に2900人が来場

 オープン当日は地元だけでなく東京など遠方から歴史ファンが訪れ、想定を越える計2900人が来場した。オープンから数日たって、愛知県や関西からツアーバスが立ち寄り、戦国を扱った大河が恋しい中高年客が熱心に展示を見ている姿が見られた。しかし、大河ドラマのお墨付きがあるからといって、やや距離がある場所に3つも大河ドラマ館を設置して人が来てくれるのかという心配もなくもない。明智光秀は「逆臣」「謀反人」というイメージが先行し、実際の資料も少ない中、思惑通りにドラマに人の心を取り込めるかどうかは今のところ未知数だ。

 戦国武将ゆかりの地のPRは信長、秀吉、家康を抱える、お隣の愛知県や名古屋市がうまい。09年に始まった名古屋の「戦国おもてなし武将隊」の成功を受け、同様の武将隊は全国各地に広がり、今は80を越えているという。特別史跡で本丸御殿を復元し、周辺の観光施設を充実させた名古屋城には岐阜の小さな城跡が束になってもかなわない。ただ、歴史資源は岐阜に多く存在しているし、希望はある。

 斎藤道三、織田信長の居城であった岐阜城は1956年に復興されたものではあるが、大河ドラマ放送に合わせて城内の展示をリニューアルした。ここ数年金華山麓の発掘調査が進み、宣教師ルイス・フロイスの著書に記述があった信長の館跡や岐阜城の天守土台の石垣が見つかるなど、歴史の歯車が動きつつある。城自体は近代的ではあるが、城からの眺めは、琵琶湖を望む安土城には負けるものの、信長の天下人への野望を十分感じることができる。

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