著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

銭湯でご老人の命を救った俺の「武勇伝」を聞いてくれ

公開日: 更新日:

 さあ、そこからの俺の全裸単独救急隊員の悪戦苦闘ぶりは、決して再現ドラマなどにはならないであろう、決死の物語となっていくのであった……。

 俺の右腕の中で、次第に意識が混濁していくご老人の耳元に声をかけ続けながら、銭湯のご主人に素早く指示を出し、救急車を呼んでもらうのと同時に、AEDを用意してもらう俺……あの、これは余談ですが、こーいう状況の時って周囲の人間は(7、8人いました)ボウ然としてしまっているのか~、はたまた関わり合いを避けたいのか? ただひたすら静観しているだけで何ひとつ動いてはくれなかったのです(責めるのではなく人間てたぶん、そーいうものなのでしょう)。

 そして、それはいきなりやってきたのです。「大丈夫ですか」「聞こえますか」「救急車がもうすぐきますよ!」と耳元で繰り返している俺のまさに目と鼻の先で、パクパクと震えていた唇は閉じられ、それと同時に、たった今までおぼろげに空を見ていた目も閉じてしまったのだ……。

 ヒャ~!! 頼む! 目を開けてー!! と必死に呼びかける俺……いや、その時の俺の正直な気持ちは冷血と言われようが「俺の腕の中で老人が息を引き取った人生の歴史」なんて刻みたくないよ~!! というものであった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ