木村花さん死去の悲劇…視聴者はフィクションへの認識欠如

公開日: 更新日:

(原田曜平/マーケティングアナリスト)

「テラスハウス」はいまの高校生、大学生にとっては中高年世代の“月9ドラマ”のような存在ですが、一番の違いは登場人物が俳優ではなく、あくまで一般人であるということ。もちろん、カメラに撮られてテレビで流れている時点で本当の意味でリアルではないし、そもそも「インフルエンサーになりたい」と思う人が応募していて、純粋な一般人とは程遠い。“リアル”ではなく、あくまで“リアリティーショー”というフィクションなのです。

 ところが、制作側も過激な部分を切り取りがちで、かつ登場人物とSNS上でやり取りできるなど視聴者との距離が近い分、感情移入が進みやすく“共犯関係”に陥りやすい。木村花さんは当初、ピュアで愛嬌のあるキャラで人気が出ましたが、恋愛感情を抱いていた男の子が彼女のプロレス用のコスチュームを誤って洗濯して色落ちし縮んでしまったことに憤慨して感情を爆発させてしまった。この一件がきっかけでSNSでの中傷が加速してしまったのです。

 ネットで叩かれることも有名税と割り切っている出演者もいますが、免疫がなかった花さんがその犠牲になってしまった悲劇といえます。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手