著者のコラム一覧
板坂康弘作家

東京都出身。週刊誌ライターを経て、阿佐田哲也、小島武夫が結成した「麻雀新撰組」に加わり、1972年創刊「近代麻雀」の初代編集長。小説CLUB新人賞を受賞して作家デビュー、著書多数、競輪評論でも活躍。

<7>「聴牌までが手作りではない」の教え そこからひと工夫

公開日: 更新日:

 結果は「四索」が出て栄和、5200点の収入だった。こうしたゲーム回しを参考にしたい。

 次に、下の牌譜を見てほしい。同じ4回戦の南2局5本場の場面だ。

 阿佐田さんはドラ「六筒」を引き込み、即リーチ。二翻縛りということもあるが、黙聴で回して「四索」の出を狙う様子はなかった。

 トップとの差は2万点だが、ツモれば逆転の望みも出てくる。また、他家も二翻縛りでは、簡単に追撃できない。何よりの自慢は読みづらい捨て牌だったのではないか。万子待ちならベストだったが、これでも数牌のほとんどが切れない。

 このように強いて役を狙わず、手なりで打った時の聴牌が読みづらいのである。疑ってかかると万子の「一萬」「四萬」「七萬」の筋も怖い。

 他家をオロしてツモ上がるペースになると判断したようだが、次巡にあっさり、高目の「四索」を引きあがる。

 黙聴か即リーチか? 聴牌してからのひと工夫が大事。場の状況に合わせて攻め方を考えよう。

【連載】阿佐田哲也 ギャンブルの哲学

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