著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

遺族を取材…芸能記者も駆り出された日本航空123便墜落事故

公開日: 更新日:

 週刊誌の本当の出番は事故後の遺族の取材だ。膨大な数の取材先をリストアップし、取材先を振り分けられる。都内から近県、さらに関西在住者が大半だったなか、神奈川県内の一部の遺族を回った。

「今は何もお話しすることはできません」と断られるのが大半。事故から1週間以上経っていたころだった。ようやく取材に答えてくれた家族がいた。藤沢に住むKさんが家のなかで答えてくれた。

 亡くなったご主人は50代。1年ほど前から大阪に単身赴任していた。家には夫人と2人の娘さんがいた。父親は夏休みを家で過ごし、大阪に戻るため123便に乗り事故に遭った。

「家にいると“メシ・風呂・寝る”ぐらいしか言わない典型的な昭和の父親でした。やっかいなお父さんがいないのもいいわね」と妻は娘2人とのびのびと暮らしていた。

 静かに話しながらも時折、笑みもこぼれていた。取材を忘れ聞き入ることもあったが、シンプルに「どんなお父さんでしたか」と質問した。高校生の妹は「怖いけど優しい父でした」と言うと、姉が引き継ぐように言った言葉が胸に刺さった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋