田中幾太郎
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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

小道具として使われた古関裕而の撮影機は驚きの値段だった

公開日: 更新日:

「よくへらへらと帰ってこれたな」

「エール」再放送シリーズも8月26日から第11週に入り、本編再開(9月14日~)まであと3週となった。この第11週で、もっとも印象的だったのは、「船頭可愛いや」が大ヒットして福島に凱旋帰郷した主人公・古山裕一(窪田正孝)に、弟の浩二が言い放ったシーン。それが冒頭のセリフである。

 故郷を捨てた兄に対する複雑な思いを吐露するという難しい役に挑んでいるのは22歳の佐久本宝。4年前に出演した映画「怒り」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した逸材だ。「エール」でも微妙な感情の起伏を見事に演じきっている。

 さて、同週では生まれたばかりの長女を溺愛する古山裕一の子煩悩ぶりも描かれているが、今回注目するのは小道具として使われている撮影機。赤ん坊の長女を撮りまくっているのだが、古山のモデルの古関裕而も大の撮影好きだった。子どもを撮るだけでなく、旅行先でもいつも撮影機を持ち歩いていたという。

 古関の愛機はフランスのパテ社が家庭用として開発した9.5ミリフィルムの「パテベビー」。日本でも1923年に東京・日本橋の高島屋から発売された。ところが、同年9月に関東大震災が起こり、高島屋が焼失。販売代理店を代えて売り出したものの、売れ行きは今ひとつだった。

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