伝説ジャズ喫茶「ベイシー」に迫った映画 観客には若者も
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、現在公開中の全世界の映画の中でも断トツの興収を記録し、国境を越えたニュースになっている日本映画界。その狂騒の陰で、一本の映画が大人たちを魅了している。
その作品「ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)」は、50年も続く伝説の名店「ベイシー」と、そのマスター菅原正二氏に迫るドキュメンタリーだ。岩手県一関市にありながら、都内をはじめ全国から客が集う「ベイシー」同様、口コミで広がり中高年を中心に粘り強い興行を続けている。その強みについて、映画批評家の前田有一氏が語る。
「公開から1カ月ほど経ちますが、関連イベントは満員の盛況で、最近では女性客や若者の観客も目立つといいます。ジャズ喫茶を“新しい”ととらえる若者に対しても、その頂点に立つ“ベイシー”の恐ろしいほどの音へのこだわりと、そうそうたる歴史を描いた本作は響くものがあるはずです」