著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

沢村忠は“時代の寵児”に…女王・美空ひばりとも親しく付き合うようになった

公開日: 更新日:

 しかし、結局このドラマ出演は実現しなかった。「サンデー毎日」(1969年9月28日号)は、その顛末をこう伝える。

《この話がいつの間にかTBS側にもれて、騒ぎになった。「沢村選手はウチの専属スター。他局の番組にレギュラーで出るなんてとんでもない。第一、ドラマ一本作るのに、本読み、立ちゲイコを含めて、四、五日はかかる。ケイコをそんなに休まれたんじゃ、からだがなまり、試合ができなくなる」というわけである。(略)沢村だって落日のときはある。すでに映画にも出演して、結構演技者としても“商売になる”ことが証明ずみであり、ここらで二足のワラジをはかせても……といった欲得ずくも重なっているらしい》

 結局フジテレビは沢村を諦め、マジシャンの引田天功(初代)にシフト。沢村に充てる予定だったレギュラー出演者の椅子を与えた。この珍事が、もし実現していれば、沢村忠は早々に俳優復帰を果たしていたかもしれない。野口プロの芸能部設立は、違った形で実現していたのではないかと筆者は見ている。

「沢村さんと地方巡業を一緒に回るでしょう。試合は連日連夜あるんだけど、時々オフが入る。そういうとき、俺たちは観光を楽しんだりするんだけど、沢村さんだけはマネジャーの遠藤さんと東京に戻って、テレビや映画の仕事をパパーッとこなす。それでまた、次の巡業場所で合流するわけ」(元目黒ジムのキックボクサーで、かつて沢村忠の付き人を経験していた山木敏弘)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    女性を巡る愛憎より友情が勝った永遠のバディー

  2. 2

    萩本欽一〈27〉坂上二郎さんは一番特別な人。あのボケは誰にもできないよ

  3. 3

    かつての「打率4割男」は期待外れで戦力外…西武・林安可は母国・台湾野手の低評価を覆せるか

  4. 4

    佐々木朗希と山本由伸は“抱き合わせ”だったのか…ドジャース入りの裏で「謎の日本人」が暗躍

  5. 5

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  1. 6

    佐々木麟太郎に「個別育成プログラム」…マーリンズ入りには低予算球団ならではの“うまみ”あり

  2. 7

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  3. 8

    佐藤二朗vs橋本愛ハラスメント騒動は「文春嫌い」「フジテレビ嫌い」「共産党嫌い」が絡み合うカオスに

  4. 9

    (3)「森保監督は『指揮官に必要な冷徹さ』を確固たる信念として持っています」

  5. 10

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁