著者のコラム一覧
平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

群馬の「暴威」は手の付けられない不良だった

公開日: 更新日:

 1984年10月に世界放浪の旅に出掛けたことは、前回の当コラムで書いた。4年間で87カ国を制覇しても帰国する気になれず、悶々としていた時に「ドミニカの海」の風景が頭の中から離れなくなった。わたしゃ「住み着いて市民権を獲得する」と決心。日本料理レストランをオープンして懸命に働いて市民権を得た。ある日、紺碧のカリブ海の先に「新宿のネオンがキラキラ瞬いている」のが見えた。もう帰国するしかなかったね。で、放浪の旅に出掛ける前の話をしよう。彼らは「暴威」と名乗っていた。

 1981年の3月だった。音楽事務所「ビーイング」の創業者としてTUBE、B’z、ZARD、大黒摩季といった売れっ子を世に出した長戸大幸さんが、事務所にやって来てこう言った。

「実は平野さんにお願いがありまして……」

「お願いとは?」

「群馬・高崎の若いバンドの面倒を見ることになったのですが、これが元暴走族の破天荒な連中でして。手に負えない不良バンドを扱えるのは、もう平野さんしかいないと思います。彼らのやっている音楽の将来性は凄く感じるのですが……」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」