ベネズエラ攻撃の裏で進む権力集中 米中間選挙を見据えたトランプ大統領の賭け
アメリカによるベネズエラ攻撃は、動機の不透明さと今後の展開が見通せないまま、混乱を広げている。トランプ大統領は麻薬対策、政権交代、石油資源の確保、安全保障を理由として挙げ、「モンロー主義」をもじった外交方針として「ドンロー主義」という表現で正当化を図っている。
これに対し民主党のマーフィー上院議員は、「これは明らかに、物価高騰とエプスタイン問題から人々の注意をそらすための策略に過ぎない」と厳しく批判した。
ここで浮上してくるのが、今年11月に迫った中間選挙だ。大統領選から2年後に行われる中間選挙は、一般に政権与党が議席を失いやすい。トランプ大統領の支持率が歴史的な低水準にあることが、こうした不利な構図にさらに拍車をかけている。
ワシントン・ポスト紙は、今回のベネズエラ介入が「国内問題から有権者の関心をそらし、選挙戦の争点を塗り替える可能性がある」と指摘。実際、「強い指導者」を演出する戦略は、支持基盤であるMAGA支持層にはある程度響いているように見える。
さらに重要なのは、今回の攻撃が議会による事前承認を得ない形で行われたことで、「立法府の無力さ」を一気に可視化したことだ。こうした状況が続けば、有権者の間に「選挙で何も変わらない」という感覚が広がり、政治参加への意欲がそがれる可能性がある。投票率が下がれば、結束力の高いトランプ支持層が相対的に有利になる。


















