著者のコラム一覧
森暢平成城大学文芸学部教授

元毎日新聞記者。著書に『天皇家の財布』(新潮社)、『近代皇室の社会史』(吉川弘文館)、『皇后四代の歴史──昭憲皇太后から美智子皇后まで』(吉川弘文館、共著)、『「地域」から見える天皇制』(吉田書店、共著)などがある。

眞子さんの結婚は「国民」の気持ちに反していたのか? 皇室ジャーナリストの発言に違和感

公開日: 更新日:

 国民は解決を願っていた、国民が気にするような問題があったと、すべての国民の問題のように断じている。

 これは、近重氏の皇室観の古さに起因しているように私には感じられる。

「早いうちに解決金を渡して、終えていれば、今回のような結婚の形にならなかったし、今回、渡米されるにあたっても、眞子さんってこんな素敵な方、小室さんってこんな子だっていうことで国民は祝福モードで行くのが本来の皇室の結婚なんですよね」

■皇室観も家族観も多様化している

「皇室はこれまで通り、国民の象徴であって、尊敬されるべきものであるということを維持してほしいという方も多くいらっしゃるわけですから(略)今あるものを大切にしていくってことが必要なんじゃないかな」

 国民なる概念を持ち出し、「すべての国民」が祝うべき対象が皇室だという昭和の皇室観を「全国民」に押し付けていないか。この国に住む人びとの皇室観、そして家族観は多様化し、さまざまな家族の形を容認すべき時代になっている。世界はボーダーレス化し、国民国家の枠組みも崩れている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い