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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<130>凄まじい遺族の怒り「兄が長年築き上げたものを壊すのは許せない」

公開日: 更新日:

 とはいえ高齢な遺族に訴訟をするための余分なお金があるわけではなく、私に妙案があるわけでもなかった。

「遺言無効の訴えをしませんか?」

 私は遺族を訪ねて説得をすることにした。遺族といっても正確には親族であり、きょうだいは3人が生存しているが、80代ぐらいの高齢者である。

 他はドン・ファンの亡くなった兄の子供3人(ドン・ファンの甥)がいるだけだ。

「訴えると財産目当てと見られるのが嫌なんで、もうほっといてくれませんか? 訴えるにもお金が必要ですし、弁護士料金も筆跡鑑定を頼むのも高いんでしょ? 勝てるかどうかも分からない裁判を起こすというのは考えられませんから」

 遺族側の考え方は十分に理解できる。彼らはもともとドン・ファンの遺産を狙っている方々ではないから、私が躍起になっても、その思いはなかなか通じない。それでも何度か会っているうちに風向きが変わってきた。

「戸籍上は早貴さんが妻ですから相続の権利はあるけれど、兄が長年築き上げたものを壊す行為はどうしても許せないんです。私は兄の遺志を継いで『皆さん頑張って下さいね』と通夜の時にアプリコの従業員や早貴さんの前で話しました。しかし、彼女がやったのは正反対のことです。アプリコを潰し、自宅をほったらかしにして東京でのうのうと暮らしているのは通らないでしょう?」

 ドン・ファンの妹さんとは何度か会って会食していたが、怒りは凄まじかった。(つづく)

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