読んでひんやり!夏のホラー文庫本特集(1)美青年が家族にもたらすのは救済か呪いか「食べると死ぬ花」芦花公園著
当たり前の日常生活のなか、少し刺激が欲しくなったら、人知を超えた世界を描くホラー本はいかが? 今回は、家族問題に介入する正体不明の男、物件探し中に遭遇する恐怖などの切り口から、異世界への扉を開けるホラー文庫本をご紹介!
◇ ◇ ◇
「食べると死ぬ花」芦花公園著
同居中の義母のきつい言動と浪費、さらに通じない不可解な言葉を話す娘に悩む主人公・美咲は、喫茶店で見知らぬ美青年に声をかけられる。ニコと名乗る不思議な包容力を持つ男に、初対面にもかかわらず自分の悩みを話してしまった美咲は、それから喫茶店で彼と話すのが習慣になった。しかし、ついに自らの悩みが限界に達したある日、なぜか彼から棺を渡される……。(「大歳の棺」)
本書は、7話構成の連作ホラー短編集。各話にニコと呼ばれる美青年・久根ニコライが登場し、家族の問題に悩む人たちに意味不明な贈り物を示す。絶望の淵に立たされた人にとって、ニコがもたらすのは救済なのか呪いなのか。なお、文庫化にあたって、ニコという存在の謎に迫る最終章「診断の鍵」が書き下ろし収録されている。 (新潮社 935円)



















