就職氷河期世代が仕掛けた社会への復讐「氷河期のゴミ」櫛木理宇著

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「氷河期のゴミ」櫛木理宇著

 コネ入社が確約されていた大物議員や財閥の子女らが、大手広告代理店の面接会場控室で倒れているのが発見された。9人のうち7人がその場で死亡し、2人は救急搬送された。同日同時刻、電力会社の就職面接の控室に侵入しようとして失敗した男が、男性社員を刺した後、通行人の女性に刃物を突き付けて人質にとり、ビル内に立てこもる。

 同日同時刻に就職面接の現場で起きた2つの事件。捜査1課強行犯捜査第7係の主任・名森晃成警部補は、第7課の捜査員と共に前線本部へ向かう。大手代理店の現場では、社員を装った男にだまされ青酸カリ入りのジュースを飲まされたことが判明し、立てこもり犯も、ジュースとコップを持参していたことから、同じ目的を持つ仲間だと推測された。非正規社員だけ解放し、刑事たちに向かって「おれたちに、人生を返せ」と叫ぶ犯人。同じ痛みを持つ者たちによる社会への復讐が始まった……。

 就職氷河期にすべてを奪われた恨みから犯行を企てた男たちの悲痛な叫びを描いた社会派ミステリー。自己責任論のもと、切り捨てられた世代の半生に心を揺さぶられる。

 (講談社 2310円)

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