(4)「呼吸困難」で運ばれる心臓病は緊急性が高い
夜間の動物病院の緊急症例の中でも特に緊急性が高いのが、呼吸困難だ。
「呼吸困難といえば、『肺炎』が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、実際の臨床現場で最も多いのは『心臓病』です。心臓病なのに呼吸困難……? と思われるかもしれませんが、心臓と肺は密接な関係があり、心臓病が進行すると肺水腫という病気になり、呼吸困難になってしまいます」と語るのは、つくば夜間動物病院の院長、唐津健輔獣医師だ。
犬の心臓病の代表は僧帽弁閉鎖不全症だ。チワワ、キャバリア、マルチーズなどの犬種で多発する。心臓内の僧帽弁という構造が破綻し、血液の逆流が起こる病気だ。
「初期は全く症状がないのですが、徐々に咳が目立つようになり、ある日突然、呼吸困難になって運ばれてきます。かなり苦しそうな状況で運ばれてきますが、適切な治療を行えば数時間で呼吸が落ち着くことも多いです」(唐津院長)
息も絶え絶えでなんとか病院にたどり着いた犬が、数時間後には尻尾を振って退院することもあることから、獣医師としては腕の見せどころであり、とてもやりがいのある治療だという。


















