著者のコラム一覧
黒岩泰株式アナリスト

山一証券、フィスコなどを経て、2009年4月に独立。独自理論である「窓・壁・軸理論」をもとに投資家に、株式・先物・オプションの助言を行う。著書に「究極のテクニカル分析」「黒岩流~窓・壁・軸理論」など。

私たちは数百円の薬代を節約するため「目に見えない巨大コスト」を払い続けている

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「右膝の横のこのプニョプニョみたいのが治らないんです……」

 皮膚科の診察室でそう訴えると、先生は患部を見て即座にこう答えた。

「ああ、これね。なかなか治らないよ……」

 あれは3年前のこと。仕事に没頭するあまり、机の角に無意識に膝をぶつけ続けていた。

 小さな衝撃の積み重ねが、やがて皮膚の下で消えない傷となり、今や古傷のようにうずき、居座り続けている。

 でも、そもそもこの診察室にたどりつくまで1時間。予約時刻をはるかに過ぎているではないか。

 子供のころに「5分前行動は当たり前」ときつく教わったのに。なぜ、病院だけは許されるのか──。

 その理由の一つとして、病院側の「薄利多売」のビジネスモデルが挙げられる。診療報酬という公定価格の中で経営を維持しようとすれば、医師は1人あたり数分で患者をさばき、薄い利益を積み上げるしかない。

 待合室の混雑は、「数」をこなさなければ立ち行かない病院の悲鳴でもあるのだ。

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