秋篠宮さまが2021年誕生日会見で指摘した皇族の「公」と「私」の曖昧さ

公開日: 更新日:

 ところで、天皇は存在そのものが公的だと述べたが、昭和天皇が生後間もなく両親から離されてご養育係に預けられたのも、そうなるように育てられたのだろう。しかし、皇太子時代にイギリスを訪問したとき、エドワード8世から〈父陛下にどれ位おあいになるかときかれたが、其頃は一週一度位であった故(略)返答に苦しんだことは今に私は忘れぬ〉(「昭和天皇拝謁記」)と悔やまれている。「家族」という実感がなかったのかもしれない。その一方で、昭和天皇は皇太子のこと(現上皇さま)を「東宮ちゃん」と呼ぶなど、子供たちが大人になっても「ちゃん」付けで呼んだのは、家庭に渇望があったのではないだろうか。

 戦後は上皇さまの代から、庶民と同じように子供たちと一緒に生活するようになった。ただ違和感を抱いた人たちから、皇太子だった上皇さまが皮肉を込めて「マイホームパパ」などと呼ばれたのは時代の端境期だったからだろう。「公」である皇族に「私」が入ってきたことに、拒絶感があったのだ。それでも上皇さまは、「私にとり、家族は大切でありましたが、昭和天皇をお助けし、(略)国や社会のために尽くすことは最も重要なことと考えてきました。……私人として過ごすときにも自分たちの立場を完全に離れることはできません」(2001年)と述べ、「私」は大切だと述べつつ、全力で「公」に尽くすことを意識されている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  1. 6

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  2. 7

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意