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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

同窓会の怪しい支出で皇室の「学習院離れ」に拍車 悠仁さま筑付高ご進学でいよいよハッキリ

公開日: 更新日:

「学習院のステータスは下がる一方です」と嘆くのは学習院大学の文系の教授。秋篠宮家の長男で皇位継承順位2位の悠仁さま(15)が筑波大学付属高校への進学を決めたことで皇室の学習院離れが鮮明になる中、さらなる逆風が吹いている。「週刊文春」(3月3日号)が学習院の同窓会組織「桜友会」の疑惑を報じ、学内に激震が走っているのだ。

 昨年、100周年を迎えた桜友会は10月に読売新聞に全面広告を出した。さらにはブロック紙4紙に5段広告のほか、ムックなども出しているが、その過程で4000万円超の不明朗な支出があったという。仕切っていたのは、大手広告代理店出身で桜友会副会長のK氏。東園基政会長とともに代表理事も務め、同会のナンバー2だ。「学校法人学習院」の理事にも就いている。日本オリンピック委員会の幹事や、関連組織の役員をいくつも歴任し、スポーツ業界でも知られる存在である。

「記事にある通り、今年2月の桜友会理事会で常務理事からKさんに対する疑義が出されたのは本当です」と話すのは理事の一人。

「理事会にはかることなく、仲間うちに発注するなど、Kさんの進め方に不備があったのは確か。とはいえ、少なくともここまで、Kさんが自身の懐に金品を入れるような事実は確認されていません」

自浄作用が欠如した「なあなあ体質」の組織

 この理事は「悠仁さまの進路問題で学習院がクローズアップされるようなことがなければ、ニュースにもならなかったに違いない」とぼやく。トップの東園会長は理事会でのやり取りが外部に流出したことを問題視。「誠に遺憾」と述べている。こうした姿勢に「どこか、ずれている気がする」と非難するのは前出の教授だ。

「桜友会は幼稚園から大学まで、すべての卒業生が入るオール学習院ともいうべき組織。にもかかわらず、幹部は幼稚園や初等科(小学校)からのOB・OGで固められ、なあなあでやってきた。自浄作用が欠如していることが問題なのに、その自覚がないんです」

 秋篠宮家が学習院を敬遠するようになったのも、こうした体質に嫌気が差したからではないかという。桜友会は学校そのものを体現している組織なのだ。同教授はこう続ける。

「秋篠宮さまにとって、学習院は紀子さまと出会われた場所であり、友人もたくさんつくられましたが、学校に対しては何の期待も持てなかったのではないでしょうか。大学では法学部に進んだものの、そこでの勉学より、並行して通っていた進化生物学研究所での家禽類の研究に注力。学習院への思い入れはほとんど育たなかった。一方、学校は皇室を受け入れるという立場にあぐらをかいて、変革の兆しもない。こんなところに子どもたちを任せるわけにはいかないという思いが次第に強くなっていったような気がします」

 このままでは、学習院大学に在学中の徳仁天皇の長女愛子さまが卒業すれば、皇室との縁は完全に切れてしまうかもしれない。

(取材・文=田中幾太郎/ジャーナリスト・「名門校の真実」の著者)

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