著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

桂南光師匠は社保庁問題の火付け役 番組におもねることのない心意気を見習いたい

公開日: 更新日:

 この放送以降、関西各地の社会保険事務所への苦情や疑問が殺到し「これはただごとではない」となり「年金問題特集」を組んだように記憶しています。そうこうしているうちに全国で次々とずさんな実態が浮かび上がり、社会保険庁解体につながっていきました。結果的に、南光師匠が社保庁問題の火付け役になったのです。

 まだ「桂べかこ」を名乗っておられた若手時代のこと。ラジオのリポーターをされていた時に「レンコン掘り」の中継に行かれ、泥だらけで中継を終えると、シャワーも着替えもなく帰らせようとしたディレクターに「おかしいやろ? ほったらかしかえ? やってられるか!」とその回で自ら番組を降板されたことがあったそうです。

 本職が落語とはいえ、若手がレギュラー番組を降りることは簡単にできるものではありません。ましてや“芸人だから何をやらせてもいい”という風潮がまだまだ残っていた時代ですからなおさらのことです。「辞めなくても抗議をして改めてもらえば良かったのに」と思われる方もいると思いますが「そもそもこういう意識で仕事をしている」ということ自体が南光師匠には許せなかったんだと思います。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋