米アカデミー国際長編映画賞「ドライブ・マイ・カー」は見て損なしか…3人が評価

公開日: 更新日:

 第94回アカデミー賞の授賞式が28日(現地時間27日)米ロサンゼルスで行われ、「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)が「国際長編映画賞」を受賞した。カンヌ国際映画祭脚本賞受賞を皮切りに、全米映画批評家協会賞、英国アカデミー賞(外国語映画賞)など各賞を総ナメにし、受賞が有力視されていた。同賞の受賞は滝田洋二郎監督「おくりびと」以来13年ぶり。

 原作は2014年に刊行された村上春樹氏の短編小説。主人公は脚本家の家福悠介(西島秀俊)とみさき(三浦透子)。家福は密かに不倫を重ねていた妻にくも膜下出血で先立たれる。その後、広島での演劇祭に招かれ、寡黙なドライバーのみさきと出会う。その後、家福の愛車のサーブで、みさきの故郷である北海道へ向かうことになる。そこで2人のそれぞれの過去への思いが明かされる。

 作家の麻生千晶氏は「示唆に富むいい作品でしたが……」としてこう語る。

「最近は夫婦の関係を深く描かない日本映画も多いのですが、夫婦の濃密な愛の世界が丁寧に描かれていた点は評価できます。しかし首をかしげたくなる点が2つありました。ひとつは海外への渡航が急きょ中止になって、自宅に帰った主人公が妻の不貞行為を目撃してしまうシーン。今どき急にキャンセルになったのであれば、携帯やLINEで連絡なりするのでは。あんな濃厚な関係の夫婦ならなおさらです。急に帰って驚かそうというならまだしも、疑問に感じました。もうひとつは、みさきに暴力を振るっていた母が『多重人格』だったというくだり。かつて三田佳子さんのドラマなどで、多重人格はとても話題となったのですが、ちょっと安易な感じがしましたね」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い