著者のコラム一覧
コトブキツカサ映画パーソナリティー

1973年、静岡県生まれ。映画パーソナリティー&映画心理カウンセラー。有働由美子、マツコ・デラックスと同じナチュラルエイトに所属。ハリウッドのエピソードから心理まで多角的に作品を網羅。水道橋博士も信頼を寄せる映画専門家。

プーチン大統領に「アイアン・スカイ」を…「復讐の物語の終わりはいつも悲劇的だ」

公開日: 更新日:

 ウクライナ侵攻で街が破壊され、死傷者が出ているという絶望的な情報が連日メディアで報道されていますが、いまだに解決への光は見えてきません。ウクライナ側は今回の戦争を「自国への侵略戦争」と呼び、ロシア側は「特別軍事作戦」と呼ぶように、両国とも互いの自国の正当性を強調していますが、言うまでもなく武力で他国に争いを仕掛けたのはロシア側であり、子供も含めた多数の死者が出ているのを看過することはできません。

 そんなプーチンに今回処方したいのは「アイアン・スカイ」(2012年/フィンランド・ドイツ・オーストラリア合作)という映画です。この作品は1945年のドイツ崩壊後に宇宙ロケットで月へと脱出したナチスの残党が、秘密裏に地球を侵略する準備を進めながらついに世界各国と戦争を始めるというSFアクションムービーです。

 戦争の愚かさをユーモアを交えて描いた本作ですが、劇中で「復讐の物語の終わりはいつも悲劇的だ」というテロップが出てきます。他国への憎しみや怒りから復讐を企てたとしても絶対に幸福にはならないし、映画を引き合いに出すならば、全ての戦争映画はアンハッピーエンドなのです。この映画では一つの戦争が終結しても、また異なる理由から別の争いが始まります。戦争という“悲しみの連鎖”は誰かが止めない限り加速し続けます。自分の体面を守ってももう“カッコいい選択肢”は残っていません。笑われても気にしない、ヒーローよりコメディアンになる覚悟で進めていただきたいと思います。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  1. 6

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  2. 7

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」