著者のコラム一覧
コトブキツカサ映画パーソナリティー

1973年、静岡県生まれ。映画パーソナリティー&映画心理カウンセラー。有働由美子、マツコ・デラックスと同じナチュラルエイトに所属。ハリウッドのエピソードから心理まで多角的に作品を網羅。水道橋博士も信頼を寄せる映画専門家。

東出昌大に映画「聖なる犯罪者」を…自分の欲望と周囲からの期待に“折り合い”をつけて

公開日: 更新日:

 共演女優との不倫、多額の違約金、離婚。さらに撮影中の宿泊先に新恋人を呼び寄せ、所属事務所から事実上のクビ……そんな東出昌大さんに今回処方したい映画は、「聖なる犯罪者」という作品です。

 アカデミー賞にもノミネートされたポーランド映画で、少年院に服役した主人公・ダニエルは収監されている間に信仰心に目覚め、神父を志そうとするが、前科者は聖職に就けないため、“偽の司祭”として活動するという物語です。ダニエルは仮出所の地で、代理の司祭と思い込まれ、そのまま教会に住み込むことに。ダニエルは生粋の悪人というわけではありませんが、結局村の人々をだましながら聖職者として生きていきます。

 劇中「完全なる善人はいない。完全なる悪人もいない」というセリフが出てきます。人間は誰でも二面性を持っていますが、縁と恩を忘れた者に幸福は訪れない。ダニエルは映画の後半で、失った信用を取り戻すのは大変だと知りつつも、自分の人生を振り返り、改心しようとします。

 映画業界の関係者に話を聞くと、東出さんの評判はすこぶる良かっただけに、裏切られたと感じている現場スタッフの数は多いようです。本作を体験してもらい、自分の欲望と周りからの期待に“折り合い”をつけていただきたいと思います。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ