著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

2015-2022「那須川天心vs武尊」の記録(上)始まりは2015年6月8日のラブコール

公開日: 更新日:

■「皆さん、僕と誰の試合が見たいですか!」

 物語を始めるには、時計の針を2015年6月8日まで戻さねばならない。新生K-1のエースとして脚光を集めていた武尊に、デビュー2年目で、当時16歳の那須川天心が「K-1チャンピオンの武尊選手と戦いたい」と対戦表明したことに端を発する。それに対し、武尊の反応はつれないものだった。

「世界中から対戦表明が来ているので、その中の一人としか見ていない。K-1で試合が組まれるならいつでもやる」

 それでも天心は「武尊選手と戦えるなら僕はどこでも上がります」と一途にラブコールを送り、天心の所属するRISEの伊藤隆代表も「実現するならK-1でも問題ない」とバックアップ。しかし、進展することはなく、それどころか「対戦に言及するのはタブー」という空気が醸成される。意外にもそれは、RIZIN統括本部長の高田延彦が投稿したTwitterがきっかけだった。

「キック界の二人のスーパースター武尊対那須川天心は今しかない! 格闘技に携わる人間としてこんなスーパーファイトをイタズラに時間を費やし鮮度を劣化し、戦う側のキモチを壊し、大人の事情で見る側に絶望感を抱かせる大罪があってはならぬと思う、何のためにこの仕事をしてるのか原点に帰りましょう!奇跡」(2017年8月29日11時47分投稿)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束