3月末に晴れて「寛解」…弁護士の郷原信郎さん悪性リンパ腫との闘いを振り返る

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郷原信郎さん(71歳/弁護士)=悪性リンパ腫

「郷原先生、これは深刻です」

 そう医師に告げられたのは去年7月でした。医師の説明では「腹部のそこら中でリンパ節が腫れている」とのこと。70歳になるまで病気らしい病気をしたことがなかっただけに、「深刻」という言葉は衝撃でした。

 人間ドックは年2回行っていましたし、それなりに健康には留意していたつもりです。ただ、去年の6月は少し無理をしました。「日本に法と正義を取り戻す会」というWEBサイトを立ち上げ、神戸、横浜での講演会や東京でのシンポジウムを開くほか、故竹内元兵庫県議に対する「死者の名誉毀損」による告訴状を作成して提出するなど、いろいろな仕事が重なったのです。

 6月末から食事がもたれるようになり、7月には食べたものがそのまま腹にたまっているような苦しさがありました。近場の胃腸科クリニックを受診すると、「暑さによる自律神経の乱れでしょう」と検査もせずに診察が終了。処方された薬は全く効かず、その晩、ますます苦しくなりました。

 翌朝、別件で知り合った医大の消化器内科の主任教授に電話で相談してみると、「すぐ来なさい」といわれました。受診してCTを撮り、その画像を見ながら「深刻です」と告げられたわけです。

 腹部で多数のリンパ節が腫れる原因として、ひとつは進行の速い臓器のスキルス性がんの転移、もうひとつは悪性リンパ腫とのことでした。そのまま3日間の検査入院になり、確定したのが「悪性リンパ腫」。退院し4日後の血液内科受診の前日から再び激しい腹部症状が現れました。

 採血の結果、LDの値(臓器の損傷や疾患を示唆する指標)が異常に高く、肝臓や腎臓の数値も極端に悪化していました。人工透析が必要とのことで、そのままICUに緊急入院となりました。次から次へと起きる出来事に、何がどうなっているのかを考える余裕などありませんでした。

 弁護士業務、SNSやYouTube発信も当分できないだろう、何も告げずに発信が途絶えると多方面に心配をかけると思い、緊急入院を公表しました。

 翌日にはステロイドが、さらに次の日に1回目の抗がん剤が投与されると、それまでの苦しさが薄れていくのをはっきりと感じました。

 折しも参議院選挙の真っただ中。体に管がつながり身動きが取れない中で、移動式のテレビで開票速報、選挙特番をくまなく見ました。「黙っていられない」と思ったのが、読売新聞の「石破首相退陣」の「大誤報」でした。首相退陣を既成事実化するなどジャーナリズムとしてあり得ない。それを誰も指摘しないことに我慢ができず、病床で妻に口述筆記してもらって、ヤフー記事を出しました。

「まだ、どうしても自分がやらなきゃいけないことがある!」

 そんな気持ちが病気に立ち向かう原動力になりました。

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