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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

東京都は2000円分補助…「女性のがん検診」受診を妨げる職場の壁

公開日: 更新日:

 東京都の小池百合子知事がユニークながん対策を打ち出しました。女性のがん検診を促すため、子宮頚がんもしくは乳がんの検診を受けた都民を対象に東京アプリで2000円分のポイントを付与するというものです。今年4月から来年3月末までに受けたがん検診や人間ドックなどの書類を提出するのが条件。今年10月ごろから申請を受け付けるそうです。

 東京都はなぜ女性を優遇するのでしょうか。実は女性のがん検診受診率は、肺がん胃がん大腸がんなど男女共通のがん検診に比べて低いためです。その傾向は東京都に限ったことではありません。全国的です。

 子宮頚がんと乳がんの受診率は4割程度で、肺がん75%、大腸がん65%と比べてとても低く、5割の胃がんにも劣っています。中小企業はさらに深刻です。私が議長を務める厚労省の委託事業・がん対策推進企業アクションは大同生命と共同で中小企業のがん検診事情について調査したところ、子宮頚がんと乳がんの受診率はそれぞれ10%、13%でした。大企業を含む全国データよりかなり低いことが分かります。

 企業には生理休暇制度がありますが、あまり使われていません。その理由は、「部署に男性が多く、申告しづらい」「『生理休暇』という名称が直接的過ぎて口に出しにくい」といった男性中心の職場環境が“壁”になっていることが多く、女性のがん検診受診率の低さも、その影響が考えられます。

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