日韓映画界の埋めがたき彼我の差…映画「モガディシュ 脱出までの14日間」大ヒットで浮き彫り

公開日: 更新日:

 コミカルなやりとりと人間味豊かなキャラクターが深刻な話の中にも笑いと共感を誘う。国同士の対立を超えた生命賛歌の物語で、とくに後半の脱出サバイバル劇はアクション映画が得意なリュ・スンワン監督の真骨頂といえる。スケール感にあふれ、確かに超大作の風格があるが、大作といえば日本も先日、東映が製作費20億円の歴史大作の製作を発表したばかりだ。

「久々の思い切った企画で、映画ファンとしては歓迎すべきではあります。しかし、そもそも韓国で映画の平均製作費が上昇したのは、労働組合らの地道な戦いでスタッフのギャラなど労働環境が改善された結果です。日本は単発の大作企画に大騒ぎしている場合ではなく、韓国よりはるかに収入が低いといわれる現場の労働者に、しっかり利益を還元する仕組みを考えるべきです。韓国のように補助金や国費助成を増やすにしろ、海外市場でマネタイズするにしろ、クリエーターが安定して食える体制が伴わなければ長期的な質の向上は望めず、韓国映画との差は広がるばかりではないでしょうか」(前田氏)

 日韓の実写映画の勢いの差を見せつけるような、韓国ナンバーワン大作の出来栄え。そろそろ邦画界も本気で危機感を持たないとヤバイ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る