小林聡美さんが表現者として「年を重ねる」とは… 《等身大》と呼ばれることへのちょっとした反発も

公開日: 更新日:

小林聡美(俳優)

 今年だけでも、エッセー出版、初の音楽コンサート開催、出演映画公開が控えるなど八面六臂の活躍を見せている。先月から小泉今日子さんとのダブル主演ドラマ「団地のふたり」が放送中。団地を舞台に幼馴染みとの何げない日常を描く作品だ。語られずとも感じられる演技力、「このままでいい」をよしとしないスタンス。フィールドにこだわらない活躍の原動力は何なのか。表現者としての思いとともに聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 ──「団地のふたり」では訳あって団地に戻ってきた桜井奈津子を演じています。バックグラウンドが細かく描かれていない役を演じる際、どうやって役づくりしていますか。

 そんなにはっきりと人物像をイメージして準備はしませんね。自分で理屈を付けて考えようとしても、とても難しいことですし、結局は自分がこれまでどうやって過ごしてきたかが自然とにじみ出てしまう。それが俳優という仕事だと思っています。もちろん、ヒントは台本の中に詰まっていますが、衣装を身につけ、撮影セットに入れば、その人物の肌触りが自然と感じられる。そういう勘を信じています。演じるのは俳優ですが、現場には監督やプロデューサーがいる。ドラマや映画はどのように見せていくのか総合的に形にしていくもので、俳優1人だけの力ではなく、チームとしてつくり上げる最たるものだと思っています。

 ──演技で工夫していることは?

 台本など、字面で見ると深刻すぎたり、センチすぎたりするところを、あえて軽く言うことで良いシーンになるのではないか、とか。音の響き的な部分で伝えられるところを探ってみたり、共演者同士で試してみたりすることはあります。同じセリフでも声のトーンで伝わり方が異なってきますからね。

 ──演技や役柄が等身大だと言われますよね。

 そう言われるとむしろ、「私の等身を知っているのか?」と逆に聞きたくなりますね。役はあくまでも役であって、本当の私ではありませんし、多少のギャップはあります。もっとも、私の元々の性格として、派手な表現をするのが得意ではないので、飾らない等身大というふうに言っていただいているのかもしれません。

 ──なかでも印象に残る役や作品というと?

 出演した作品を見返すことはめったにありません。ただ、映画「かもめ食堂」は初めてちゃんとした“二枚目”を演じた気がします。アドリブで盛り上げるわけでもなく、余計なことをしなくていいんだな、と思いました。そこから新しい流れができたのかな、という感覚があります。ドラマ「やっぱり猫が好き」で私のことを知ってくれた方は多い。当時のテレビは勢いがあって、いろいろと面白いことが実験できた良い時代。うまくそのタイミングに乗れたのかなと思います。

■書き続けるコツは責任を持たないこと

 ──日常をつづったエッセーも人気ですが、執筆活動で心掛けていることはありますか。

 無責任に聞こえるかもしれませんが、書くものにあまり責任を持たないことですね。あれこれ難しく考えると書けなくなるので、「どうせ誰も読んでいない」ぐらいの勢いで書く方が私には合っています。取り上げるエピソードについても、何人かには共感してもらえたらいいな、という話題を考えて拾っています。連載などで今月は書くことがないなと思っても、「あの出来事を見方を変えたらエッセーに書けるかも」と、日常の引っ掛かりをいかに面白がられるかだと思うんです。やっぱり私自身が面白がれないと書けないし、伝えられませんから。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・橋上秀樹監督代行とは何者か…原辰徳氏には干され、阿部監督が心酔した“野村ID野球”の継承者

  2. 2

    (3)巨人の次期監督は誰か…松井秀喜氏、桑田真澄氏より“現実味”帯びる原辰徳氏の4度目登板

  3. 3

    (1)阿部監督の暴行事件は巨人にとって“渡りに船”だったか…異様に早い「解任判断」の裏側

  4. 4

    ゾンビたばこ羽月隆太郎「共犯者暴露」の大きすぎる波紋…広島・新井監督の進退問題にまで飛び火か

  5. 5

    (2)阿部監督「長女の手紙」で潮目一変…巨人が“事件矮小化”を手引きしたのか

  1. 6

    高市首相「中傷動画」疑惑に逆ギレ答弁連発 質問した野党議員の制止振り切り“ご飯論法”で一気まくしたて

  2. 7

    絶好調!巨人・阿部慎之助を支える最強あげまんグラドル小泉麻耶

  3. 8

    ゾンビたばこ羽月隆太郎が涙の激白 広島内で「関与は6人」「壮絶イジメ」「裏切り」【会見全文】

  4. 9

    維新はシャカリキでも産業界は「ノーモア都構想」…企業がごっそり“脱・大阪”前年度比1.8倍増

  5. 10

    広島羽月 お立ち台で見せた初々しい“坊主頭”の意外な理由