麒麟・田村裕さん「ホームレス中学生」の印税1億円は全部使ったと明かす…バスケ芸人で食いつなぐ日々

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ホームレス中学生」がミリオンセラーになったお笑いコンビ「麒麟」の田村裕さん。相方の川島明さんは情報番組などのMCで大忙しだが、田村さんはバラエティー出演の一方でバスケ芸人として活躍中で、新刊「ホームレスパパ、格差を乗り越える」を出版したばかり。家族、バスケ、漫才……これからやりたいことを語った。

  ◇  ◇  ◇

「じゃない方」の芸人てメチャクチャ言われますよ。Xをエゴサーチすると「川島(明)テレビでメッチャ見るけど、田村消えたなあ」とか「田村見えへんけど、何かしでかしたのかな」とか。何もしでかしてへんからホンマ傷つくわ。まあ、でも、何も名前が挙がらへんよりはいいかって思ってます(笑)。

 そもそもの話になりますが、母親が43歳の時に他界しています。だから、自分もなんとなく43歳で死ぬのかなと思っていたけど、今年9月で45歳になった。この本を書いた時は43歳だから感慨深いものを感じてたけど、45歳になって、母親の死んだ年齢を超えてまだ生きている。それだけでありがたいですね。ウイニングランみたいな状態かな。

 まだ生きてるんやと満足しきっているところはあるけど、それでも今死ぬかもなとか、来年死ぬかなと思った時に、長生きできへんくても、事故でもない限り、それはないかもと思ってます。そうなったら、大急ぎで貯金する金額を増やさないかんと慌てました。

 奥さんとは旅行に行ったけど、新婚旅行じゃなかったしね。温泉に行こかとか、うまいもん食いに行こかとかもあるかもしれない。娘がどっか行きたいと言うかも。その時にお金がないから行かれへんと言うのは、嫌ですからね。できたら、行っておいでと笑顔で言えるように貯金を増やしとこ思ってます。

 でも、月々貯めてるお金はみなさんの半分くらいだと思いますね。先月もひと月が終わった段階で銀行の残高を調べたら2万ナンボやった。これホンマ。何かあったら死ぬギリギリのライン。

 コロナの時はもっとひどくて、仕事がなくてヒイヒイ言うて、奥さんには今月、お金渡されへんわとか何回もあった。あの時は家の中の空気が殺伐としました。今は今月いくら貯めたよとか話せるので、家庭は円満になったと思います。

「ホームレス中学生」の印税があると言われるかもしれませんが、全部なくなりました。父親に家を買ってあげたり、お世話になった知り合いに恩返ししたり、後輩におごったりして。少し置いとけばよかったと今では真剣に後悔しています。

 メッセンジャーのあいはらさんには「1000万円でもいいから置いとけ」とか、サバンナの八木(真澄)さんには「投資信託せい、財テク頑張れ」と言われた。でも、無視して使い切ってしまった。ホンマにタイムマシンがあるなら、トンカチであの時の僕をどつきたい、ぶち殴りに行きたいくらい(笑)。

 でも、変に残してこのお金を大事に使わなあかんて思ったら、せせこましくなるからね。芸人だし、思いっ切り使ってしまい、ゼロから這い上がればいいやんってことで日々頑張れる。それはそれでスパッと切り替えてよかった。余裕がある芸人なんて、かわいくないですもんね。背水の陣ではありますけど。

 結婚前から行きたかったのはイタリアです。僕はピザが大好き。パンが好きで、ピザはパンの延長やと思ってて、どうしてもイタリアで本場のピザを食べてみたい。

 バスケにハマる前はサッカーばかり見てた。それもイタリアのセリエAです。中田英寿さんがペルージャに入った頃からメッチャ見てたんで、一度は現地でセリエAの試合も観戦したい。いつの日か1週間でも10日間でも時間が取れる日がやってきたら奥さんとイタリアを旅行したいです。

 ただ、バスケと心中すると決めてからはサッカーはやめて、バスケ一本に絞りました。バスケは一番仕事がない時期になんとかギリギリ仕事がつながって生活を守ってくれた。ホンマやっててよかった、発信してよかったと思っています。

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