著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

加納典明(6)ムツゴウロウさんにも「俺ははっきり言うから。格好つけるなって」

公開日: 更新日:

①一流の物を使う意味

加納 「ああ。そういうことね。たとえばあれは僕流の考え方があって、畑さんがそういう何でもないものを使ってやるのも一つの世界観であるし価値観だけれども、もっといい世界があるんですよと意見したんです」

増田「釣りにしても」

加納「そう。例えば釣りにしても」

増田「道具によって違ってくると」

加納「違うね。本当の竿、優れた竿を使ってやるのと、自分で作ったいい加減な竿でやるのと、たとえば魚が掛かったときにくる引きから何から全然違うわけよ。畑さんのやり方も1つの考えとしては全然オッケーだとは思うけど、その違いを知ったほうがいいと思った。いいもの使うのもこだわりだけど、悪いものを使ってこだわっていたのが彼。それが格好いいと思って、誤解してたんだよ」

増田「僕はあれだけの人物、つまり畑正憲さんに言うことを聞かせる加納典明さんってどういう人なんだろうって、若い頃からずっと思ってたんです。関係性が不思議で。彼はものすごく頑固でしょう」

加納「頑固だね。自分を持っているともいえる」

増田「普通の人に言われたら、何言ってんだ馬鹿野郎ってなる。それが加納さんに言われて、そうだよなと納得して、これはどういうことなんだろうと」

加納「そうだな。そうだろうね。俺ははっきり言うからね。悪いものをわざと使って格好つけるなって」


(第7回につづく=火・木曜掲載)


▽かのう・てんめい:1942年、愛知県生まれ。19歳で上京し、広告写真家・杵島隆氏に師事する。その後、フリーの写真家として広告を中心に活躍。69年に開催した個展「FUCK」で一躍脚光を浴びる。グラビア撮影では過激ヌードの巨匠として名を馳せる一方、タレント活動やムツゴロウ王国への移住など写真家の枠を超えたパフォーマンスでも話題に。日宣美賞、APA賞、朝日広告賞、毎日広告賞など受賞多数。

▽ますだ・としなり:1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  2. 2

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  5. 5

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  1. 6

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風

  2. 7

    中村倫也が「風、薫る」に大貢献…妻・水卜麻美アナとの「ずっと仲良く」「にこやかな」近況

  3. 8

    「恩人だけど、嫌いな人の代表」亡くなった板東英二さんが複雑な感情を抱いたプロデューサーの名前

  4. 9

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”

  5. 10

    馬場典子アナの「人生の転機」は日テレ入社7年目“福澤一座”の旗揚げ公演の初舞台

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スマスロ『からくりサーカス2』にユーザーから厳しい評価 射幸性高い人気シリーズが直面する「2作目のジンクス」

  2. 2

    安青錦3度目Vはアッパレだが、私の大の里への評価は甘かった。両横綱よ「13勝の壁」を破ってみせよ

  3. 3

    東証で新たな動き…1月~7月までに上場廃止を選択する企業が過去最多のナゼ

  4. 4

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  5. 5

    真夏の珍事? 共産党が“野党第1党”に大躍進したワケ…潜在読者掘り起こした電子版「赤旗日曜版」

  1. 6

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  2. 7

    中京大中京から享栄へ、大藤監督が明かす“異例の転身”の真相

  3. 8

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務

  4. 9

    9月党人事を前に深まる鈴木幹事長とのミゾ…支持率急落の高市政権「裏金軍団復権」の時限爆弾

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ