「時代に挑んだ男」加納典明(20)動物王国を経て、モデルからは「オオカミの目が優しくなっちゃった」と言われた
加納「俺の場合、ラーニングエッジ*だったんだろうと思う。あのまま東京でやってたら、本当に早死にしてるかもしれないし。また話を変えれば、草間彌生さんと会ったとき、あのままニューヨーク行ってれば、ニューヨークでトップ取って、向こうでワイワイやってたかもしれない。だからこのごろは〝岐路〟っていうのは考える。ニューヨークへ行ってたらとか北海道に行かなかったらとか、そうしたら自分の人生はどう変わっていただろうと。その時はそんなこと、意識も考えもしなかったけどね」
※ラーニングエッジ:既存の知識や経験などから脱して新領域に挑戦し、新しい視点を持つこと。そして新しいアイデアを導入していくこと。
(第21回につづく=火・木曜掲載)
▽かのう・てんめい:1942年、愛知県生まれ。19歳で上京し、広告写真家・杵島隆氏に師事する。その後、フリーの写真家として広告を中心に活躍。69年に開催した個展「FUCK」で一躍脚光を浴びる。グラビア撮影では過激ヌードの巨匠として名を馳せる一方、タレント活動やムツゴロウ王国への移住など写真家の枠を超えたパフォーマンスでも話題に。日宣美賞、APA賞、朝日広告賞、毎日広告賞など受賞多数。