「時代に挑んだ男」加納典明(20)動物王国を経て、モデルからは「オオカミの目が優しくなっちゃった」と言われた
小説、ノンフィクションの両ジャンルで活躍する作家・増田俊也氏による新連載がスタートしました。各界レジェンドの一代記をディープなロングインタビューによって届ける口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。
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加納「あと、俺、声がよかったらしいんだよ。撮影しながら女の子に近づいて耳元で囁くと落ちちゃうことがよくあった。低い声にゾクゾクするらしい」
増田「それにしても東京での疲れと人間関係のパイプのヘドロみたいなものを落とすのに丸々4年間かかったというのは相当なものですね。それくらい仕事に打ち込んでいたわけで」
加納「うん。当時、俺の目はオオカミの目をしてるとか言われたからね。それが4年間空けることによってだいぶ楽に。人間関係も含めて」
増田「写真家としてもういちど蘇るにはそれぐらい必要だった」
加納「必要だったね。人がひとつのことに打ち込むって、それくらいエネルギーを使ってるんだよ」