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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。2012年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。現在、名古屋芸術大学客員教授として文学や漫画理論の講義を担当。

「時代と寝た男」加納典明(21)「ムツさんは自分を楽しみ、能力を試し、やり切った。そしてあの著作群は…」

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増田「畑さんが2023年に亡くなったときはやっぱりショックを受けましたか」

加納「いや、彼は自分を楽しんだ人だから。大いに自分のその能力を試した。そしてやりきった。それがこう、文化的に、科学的にどこまで意味あるかとか、そういうつまんない次元のことじゃなくてさ、1人の人間の生きざまとしては十分だったと俺は思うんだ」

増田「亡くなった時は特に悲しいっていうよりも」

加納「そうそう。誰でも寿命があるから。俺だってもちろん、そのうちやってくる。だから畑さんが亡くなったことは残念だけど、やることやりきって亡くなったんだという思いはあるね」

増田「表現者としてあのようにありたいと」

加納「そうだね。彼の書いたものは、いわゆる純文学ではない。エンタメでもない。随筆が中心です。その読者っていうのは哲学者とか文化人ではなくて、多くの人にわかりやすく書いてある。彼自身はものすごく頭が切れて複雑な人物なんだけど、それを誰にでもわかるように噛み砕いて書いている。明快に事実を展開して中学生ぐらいなら十分わかるように書いた」

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