映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV
この映画の白眉は、兵庫県出石(いずし)にある近畿地方最古の芝居小屋「永楽館」などで撮影されたという「藤娘」「鷺娘」「曽根崎心中」の華麗な舞台である。
美術を映画「キル・ビル」の種田陽平が担当している。ふりしきる雪の中、恋の悲しみにもがく鷺の精を演じた万菊のシーンは圧巻。
私は、歌舞伎の世界を描いた作品では、溝口健二の「残菊物語」と、有馬稲子自身が「私が一番きれいに撮れた作品」といっている「浪花の恋の物語」(内田吐夢)が好きだが、これに「国宝」が加わった。
もはや「国宝」ブームといっていいだろう。このところ沈滞気味の歌舞伎だったが、この映画で歌舞伎の魅力を知った若い人たちが、足を運ぶようになるのではないか。
■歌舞伎役者が見直されている折なのに
だが、そんなブームに水を差すような名門役者のDV話が週刊新潮(6月26日号)で報じられた。中村児太郎(31)の祖父は人間国宝の7代目中村芝翫。父親は9代目中村福助(64)。名門「成駒屋」の若手で、将来は歌舞伎界を背負っていく一人である。