【23.母の録音】毒舌だった母の静かな最期の潔さ

私の母は90歳で亡くなるまで気丈さを失わない強い人だった。父が亡くなった後、長兄の家で暮らしていたが、退屈すると私に電話がかかる。
「お見限りだねえ。電話一本かけられないほど忙しいのかい」──母独特の毒の利いた嫌みである。
「いろいろ忙しくてね」などと言い訳しようも…
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