著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

「俺たちは虚実、皮膜紙一重を泳いでいるわけだ」…表舞台に出たことのない芸能界の首領たちの生声

公開日: 更新日:

 川村は京都大学経営管理大学院の講義で、田辺エージェンシーを〈日本の音楽事業所業界、芸能プロダクションやレコード会社などのあらゆる分野の人が集まって作った、最初の近代プロダクション〉と評している。長らく田辺エージェンシーの屋台骨となっているのは、タモリこと森田一義である。

 田辺は、ザ・芸能界で最も研ぎ澄ました言葉を持つ男である。タレントのマネジメントでは“顔”が重要であることをこう表現した。

「田辺さん、アンタじゃなくてもいいよって言うと素っ気なくなってしまう。あなただから我慢するけど、他の人はそうはいかないよって。それが面白くてやっている。その極致が表現者ですよね。マネジメントもそれに似ている。実際は(タレントが)大したことがなくても、虚実皮膜を行き来させることで、華麗に見せる」

「虚実皮膜」とは近松門左衛門の言葉で、事実と虚構がせめぎ合う微妙な狭間に、芸術上の真実があるという意味だ。

「(芸能界は)全部、想像と空想と錯覚の世界なんだよ。俺たちは虚実、皮膜紙一重を泳いでいるわけだ」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大の里、豊昇龍の両横綱も戦々恐々…「新怪物」加入で躍進止まらぬ伊勢ケ浜部屋の巨大戦力

  2. 2

    星野監督は中村武志さんを張り倒した直後、3ランを打った隣の俺にも鉄拳制裁…メチャクチャ痛かった

  3. 3

    「ブラタモリ」抜擢の桑子真帆アナ “金髪チャラ系”の大学時代

  4. 4

    松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念

  5. 5

    元幕内照強の“しょっぱい犯罪”に角界も呆れた…トラブル多数現役時代の「ヤンチャ」な素顔

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    小祝さくらは「加齢の影響」漏らしていた…ツアー6週連続欠場の深刻度

  3. 8

    84歳の五月みどりが最期のパートナーと過ごす“やすらぎの刻”…経営するギフトショップは閉店

  4. 9

    9.8決戦を目前に過熱する「石破おろし」情報戦…飛び交う総裁選前倒し「賛成」の票読み

  5. 10

    巨人・泉口友汰がセ首位打者に浮上…遊撃手“3番手扱い”からの進化を支える2人の師匠