映画「爆弾」の原作者・呉勝浩さん 2つのターニングポイント…「江戸川乱歩賞」受賞と「大藪春彦賞」落選

公開日: 更新日:

呉勝浩さん(作家/44歳)

 全国ロードショーが始まった映画「爆弾」の原作者で作家の呉勝浩さん。ターニングポイントはミステリー作家の登竜門、江戸川乱歩賞の受賞と、デビュー後に大藪春彦賞に落選した瞬間という。

  ◇  ◇  ◇

 ターニングポイントのひとつは「道徳の時間」で乱歩賞をいただいてデビューできた時(2015年)ですね。その2年前に応募した「『このミステリーがすごい!』大賞」で最終一歩手前の候補に、前年には乱歩賞の最終候補に残ることができた。

 長編ミステリーを年1本ペースで書き、大好きなメフィスト賞をはじめ、毎年いろんな賞への投稿をずっと続けてきたので、この2つの評価はうれしかったんです。

 でも、その半面、翌年に乱歩賞を受賞する「道徳の時間」を書いている最中は「これが落選したら、もう無理かな」という大きな不安がありました。33歳になるし、当時のバイト先の方からも「そろそろ社員になることを考えたら」と誘っていただいていましたから、次がミステリー作家になれるラストチャンスだろうと。

 結果的に受賞できたわけですが、これがすんなりとはいきませんでした。選考の日に編集者からの電話で「受賞おめでとうございます。ただし! 作品に看過できない問題があるので、もしその部分を変えていただけるなら、受賞になりますが、いかがしますか」と。その部分とは結構、大きな箇所で、僕としては「受賞するために、大きく直すなんてあるの?」という感じで(笑)。

 手直しして受賞となりましたが、この時が人生の一番のターニングポイントでした。それがちょうど10年前。

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