【エディントンへようこそ】コロナ騒動で現代アメリカの病理を描いた問題作

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現代社会の縮図

 注目すべき点はいくつもあるが、ここではヴァーノンの存在を挙げておきたい。この男は陰謀論を世間に広め、ルイーズらを洗脳する。新型コロナという疫病から怪しげな男が飛び出して信者を獲得したわけだ。

 日本でも同様の事件が起きた。神真都Q(やまときゅー)という団体が「反ワクチン」を掲げて活動。22年4月、ワクチン接種会場にメンバー4人が侵入して逮捕された。この神真都Qのようなワクチン有害説を主張する連中がカルトな政治団体を作り、人々の不安をてこに大きく成長したことはご存知のとおりだ。

 人間は国家から何かを強制されたとき「背後に自分たちが知らされていない陰謀が渦巻いている」と考えたがるもの。コロナが終息した現代の日本でも「ワクチンによって多くの人が殺された」との言説を広める動きは続き、彼らを崇める信者は減らない。このヴァーノンの存在はコロナ騒動のいびつな面を端的に表現した。

 主演のホアキン・フェニックスはこう語っている。

「観客がこの映画を観て、今の世界を理解してくれることを願っている」

 エディントンという架空の町は現代社会の縮図なのである。(配給:ハピネットファントム・スタジオ)

(文=森田健司)

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