【五十年目の俺たちの旅】老境に達した男たちの友情が胸に染みる

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 鎌田はこう語っている。

「俺たちの旅、このドラマを貫いているのは、生きていくことの切なさです。人生の岐路にぶつかった時に、激しく葛藤し、強く反発し、勝手なことを言い合って馬鹿騒ぎしながらも心には相手を思うやさしさがある」

 70年代の本放送からこのドラマにはある特徴があった。男同士の友情がベタベタしているのだ。ときに抱き合い、ときに殴り合い、ときに怒鳴り合う。その中心がカースケだ。この男がオメダとグズ六の生き方、考え方に介入しては説教をたれる。放送当時「カースケがうっとうしい」との声があがったことも。彼の求心力はハエ取り紙のようにベタついていた。

 70代を迎えた今もそのお節介精神は健在で、オメダに意見し、グズ六とともに彼を立ち直らせようとする。オメダは今も逃走願望から脱却できない。男たちは50年経っても同じ立ち位置にいるのだ。「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という法則はこのドラマには通用しない。

 問題児のオメダをカースケとグズ六がどうフォローするかが物語の主軸だが、その根底には人の「別れ」が仕込まれている。オメダは妻子と別れて神楽坂に戻ることを望む。カースケは自分を慕っていた洋子との切ない訣別を回想しては恋心をかみしめる。

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