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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

前田敦子は「毒島ゆり子のせきらら日記」で“AKBのあっちゃん”から脱却

公開日: 更新日:

 ちょうど10年前の2016年5月。気持ちのいい五月晴れの日が多かった。一方、ドラマ界は爽やかどころか、「ドロドロの恋愛モノ」が軒を連ねていた。栗山千明「不機嫌な果実」(テレビ朝日系)、伊藤英明「僕のヤバイ妻」(フジテレビ系)、石田ゆり子「コントレール~罪と恋~」(NHK)などだ。

 各局の足並みが揃ったのは偶然か。それとも芸能ニュースを賑わせていた数々の不倫騒動の影響だったのか。いやいや、ドラマの準備には半年から1年かかる。騒動が直接関係したとは思えない。

 当時の恋愛ドラマは、低調の月9も含めて王道路線が苦戦していた。各局が王道以外を考える中で、「そろそろドロドロ系か」と思惑が重なったのかもしれない。

 そんな中で特に目を引いたのが、前田敦子主演「毒島ゆり子のせきらら日記」(TBS系)だ。

 ヒロインのゆり子は新聞社の政治部記者。仕事は未熟だが、恋愛には積極的だ。ただし父親の不倫で家庭崩壊を経験しており、「男は必ず女を裏切るから、自分が傷つかないよう、先に男を裏切る」が信条だった。2人の彼氏がいるにもかかわらず、既婚者であるライバル紙の敏腕記者(新井浩文)とのドロドロ不倫にハマっていく。

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