長寿研究のいまを知る 番外編(2)抗老化物質「NMN」の評価・研究はどうなっているのか
アンチエイジングや長寿に関心がある人は、一度は「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」について耳にしたことがあるだろう。全米でベストセラーになった、「ライフスパン~老いなき世界」で著者のハーバード大学医学部シンクレア教授が取り上げた、抗老化物質だ。日本ではサプリメントとして販売されている。
この物質は体内でビタミンB3の仲間であるNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)+という物質に変換される。そのことで、細胞内のエネルギー(ATP)を作り、DNAの修復を助け、老化関連酵素である複数のサーチュインを動かすと考えられている。いわば、NMNは細胞内でエネルギーを作るためのスイッチを押す必須物質で、老化予防に役立つ存在とされる。
ヒトは加齢とともに疲れやすくなる。回復が遅くなり、細胞の修復力が落ちていく。つまり、老化を感じる状態が進んでいく。NMNを補うとNAD+が増えて、細胞機能が若返るかもしれない、という理屈である。
マウスへのNMNの長期投与実験ではNAD+量が増加し、血糖・脂質などの代謝が良くなり、体力・活動量が維持され、骨密度・免疫機能が改善した。加齢に伴う機能低下の抑制にもつながったという。


















