新型コロナウイルス、新変異株が海外で流行 この夏日本でも感染拡大の恐れ!
「ただの風邪」ではない 正しく知識を持って対策しよう!
この夏、世界中を巻き込んで猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の新たな株が再び流行する可能性が心配されている。
3年前にインフルエンザなどと同様の5類感染症に移行したことで、「ただの風邪のようなもの」と軽く思っている方も増えてきているようだが、その実態を知れば恐怖におののく。2024年度では、高齢者を中心にインフルエンザの10倍以上の死者が出ているのだ。
新型コロナ感染が、なぜ命の危機につながってしまうのか。最前線で治療と研究にあたる、埼玉医科大学医学部国際医療センター(埼玉県日高市)の関雅文教授に聞いた。
死者3万6000人
新型コロナ感染症は、2023年5月にインフルエンザなどと同じ5類感染症に移行したが、その翌年にあたる24年の新型コロナ感染による死者は約3万6000人。その年のインフルエンザ感染症による死者は約2900人だったのだから、10数倍も上回っているのである。
「新型コロナウイルス感染症の脅威は、まだまだ終わってはいません。ピーク時に比べて病原性が落ちていると思われがちですが、その一方で、いまだに亡くなられる方が多いことを知っていただきたい」と、関教授。
■新型コロナ感染で高齢者が脳卒中、心筋梗塞を引き起こして亡くなっている
「インフルと決定的に違うのは、新型コロナの場合、重症化で亡くなられるのは高齢者の方がほとんどだということ。亡くなられ方も異なります。インフルでは肺炎で命を落とすというのが一般的ですが、新型コロナは、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎不全など、血管が障害される病気を引き起こして死に至るケースが多いのです」
肺炎なら感染から2〜3日経って重症化するが、脳卒中や心筋梗塞は待ったなし。突発的に発症して、救急で搬送されても手遅れになってしまうケースが多いのだ。
新型コロナの正体は血管障害を起こす感染症
「新型コロナウイルスは、ACE2レセプターと呼ばれる血管内にある細胞の受容体にくっつきやすいことが分かっています。ウイルスが鼻の中の毛細血管から侵入して血管の中を移動し、血管内部で一気に増殖して病変を起こすわけです。すると、血管の中がダメージを受け、細胞の破壊や炎症を起こして血栓ができやすくなる。その血栓が脳卒中や心筋梗塞、腎障害を引き起こすのです」
特に、高血圧や糖尿病など、血管に関連する基礎疾患を持っている高齢者は、感染によって血管障害を起こしやすく、脳卒中や心筋梗塞などを発症するリスクが高いそうだ。
「新型コロナ感染が血栓をすごく作りやすいのは紛れもない事実。そこが他のウイルスと大きく違う点です。つまり、新型コロナウイルスは、インフルなどの呼吸器感染症とは異なる、血管に関連する感染症なのです」
■先祖返り変異のウイルスがこの夏、感染急拡大の恐怖を生み出す
「今、ヨーロッパで感染が拡大している新型コロナは、先祖返りして変異したウイルス。喉もあまり痛くならないので、たいしたことはないと思われがちですが、逆に感染力はパワーアップしているので、この夏、日本でも大きく広がることが懸念されています。実際、国内での感染例も出始めていますし、私自身も確認しています。若者や子供たちは、無症状、あるいは普通の風邪のような症状で済んだとしても、高齢者の方や血管関連の基礎疾患のある方などが感染すれば、脳卒中や心筋梗塞、心不全を突発的に引き起こし、いきなり致死的な状態に陥ることが心配されます」
■ワクチン接種と普段から免疫を整えておくことが予防の要
「医学的には、ワクチンでの予防と、かかってしまったら、できるだけ早く薬を服用することです。もちろん、マスクの着用や手指衛生、免疫を整える食生活も欠かせません。しっかりご飯を食べて、健康的な食事やヨーグルト、乳酸菌など、体に良いと言われているものをきちんと摂って、普段から体調や免疫を整えておくことが重要です。免疫機能が弱っていると重症化しやすく、なかなかウイルスが消えないことが分かっています」
■ワクチンは現在でも十分有効 入院予防効果は60%以上
「ワクチン接種による発熱の頻度は減っており、副反応で最も重篤とされている心筋炎についても、厚労省が昨年、『ワクチン接種によって心筋炎を起こした方はゼロ』だったことを正式に発表しています。しかも、ワクチンは現在でも国内で入院予防効果は60%以上という好成績が確認されています。脳梗塞や心疾患は、発症の予防が何よりも大切。普段からそうした認識を持ち、ワクチン接種や食生活も含めて準備をしておくことが大事だと思います」
流行動向にも気を付けて、くれぐれも油断せずに早めから対策したいものだ。


















